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#05 STORY

MOUNTAIN LIFE.

Shikaichi Ueki Whistler, BC, Canada

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MOUNTAIN CULTURE

ウィスラーを拠点にしている植木は、ここ2年ほど、3月後半から1カ月前後を使って撮影を兼ねたアラスカへのロングトリップを行ってきた。昨年はカナダの滑り仲間である中塩順大とフォトグラファーの竹内天平、そして日本から参加した中島力の4人でピックアップトラックの狭いキャビンやテントで寝起きしながら、カナダからアラスカまでを陸路で往復。その成果は専門誌「2017 Fall Line vol.2」に14ページにわたって掲載された。今年はフリーライドムービー「Heart Films」の撮影に参加して、新作「beyond」にフッテージを得た。それは滑り手として自分の実力を発揮させるシーズンの集大成であり、1年で最も重視している活動でもある。また、今年の2月上旬の白馬で開催されたフリーライド大会「JAPAN FREERIDE OPEN」では実行委員長として企画から運営までを担った。これは植木の発案に仲間の中塩や中島らが協力して実現したもので、開催に当たっては日本で活動する多くの滑り手たちがボランティアで協力を申し出ており、多くのトップライダーが集結して盛況だった。自らが魅了されている本場北米のフリーライドカルチャーの素晴らしさを、日本に直接紹介したい。そんな植木の思いが実を結んだ結果だった。
カナダのスキーシーズンは長い。ウィスラー&ブラッコムは5月末まで営業し、サマーシーズンは上部の氷河エリアを滑ることもできる。また、その気になればバックカントリーでは初夏まで滑ることも可能だ。そんななか、植木のスキーシーズンは4月でいったん幕を閉じ、そこからはスキーに後ろ髪を引かれつつも、秋までの大工仕事に入る。冬以上に盛り上がる夏のウィスラーのアウトドアアクティビティを楽しみつつも、来るべき次の冬のために、スキー活動に集中するための資金と生活費を稼ぐ必要があるからだ。

25歳で日本を飛び出した植木は、現在31歳。この先、プロの滑り手として活動を重視するなら、日本をベースにしたほうがなにかと都合がいい。それでも植木がウィスラーでの暮らしにこだわるのは、カナダのスキータウンにしっかり根付いている濃密なマウンテンカルチャーに惹かれるからだという。それはある意味、スケールの大きな自然環境と同じくらい魅力的なのだという。
「ここでは子どもからお年寄りまで、みんな山が好きで、スキーが大好き。だから、なにも説明しなくてもみんなが理解してくれる。そのなかで生活していくのはストレスがなく、すごく心地いいんです。 たとえば、仕事を休んでスキーに出かけたいと思っても、仕事先が快く送り出してくれることが多いんです。『若いうちは、チャンスを逃すなよ』と。それはボス自身も熱心なスキーヤーだからなんです。そんな街はほかには知りません。いい暮らしをしたいとか、立派な家を持ちたいとは考えたこともありません。カナダの自然に沿った暮らしをしながら、自分の可能性を追求してみたい。それが自分にとっての最高のライフスタイルだと思っていますから」スキーヤーとして結果を残すことも、フリーライドコンテストを日本で開催することも、そして信頼する仲間と共に旅にでることも、すべては植木が選んだ自らの暮らし。それはまさにウィスラーらしいリアルなマウンテンカルチャーそのものでもある。

Text : Chikara Terakura
Photo : Tempei Takeuchi
Special Thanks to JAPANADA

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