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Interview

#04Myoko Spring Session(1/3) APPROACH

春になったら妙高でツアーをということで、中野豊和は地元ガイドとしての豊富な引き出しの中から、水間大輔と上野岳光のためにとっておきのロングルートを選び出した。山の麓にベースキャンプを設け、そこから標高差1000m近くを登って滑る。さらにアプローチの林道はほぼフラットだから、シールでサクサク楽勝で歩ける……はずだった。

「山の麓にべーキャンプを設け、そこから標高差1000m近くを登って滑る計画」

「先週下見したときは十分雪があったのに……」と中野。これも記録的な少雪シーズンの影響だった。容易なアプローチを想定しただけに、ソリに乗せた食糧の重さは相当なもの。装備の軽量化など頭の隅にもなく、105Lのバックパックに快適グッズを満載した。それが完全に裏目に出た格好。アプローチで板まで背負うとは想定外だった。森の林道に笑顔はなく、ガリガリとソリを引きずる音だけが響いた

雪面を踏み固めてキッチンテントを据え付け、それを中心に各自のテントの配置を決める。雪の上だからレイアウトは自由自在。スノーキャンプの楽しさはすでに設営から始まっている。

完全に"そのつもり"だったから、食糧計画に軽量化という発想は欠片もなく、生肉に生鮮野菜、レトルト食品、缶詰など、重量を気にしない食材ばかり。それでも、ここまで持ち込んでしまえばこっちのもの。さあ、楽しい食事作りの始まりだ。

4月中旬とはいえ、雪上からの冷気がじわじわと体を冷やすから、防寒ウェアは欠かせない。インサレーションパンツは少し大きめサイズが使いやすい。ビブの上からさっと穿けるからだ。日が暮れると一気に冷えるので、厚手のダウンジャケットも必需品。

3泊4日分の食糧計画は、すべてリーダーの中野が立てた。夕食はワンポットメニュ−、つまり、鍋物が簡単でおいしい。水の計量、食材を入れるタイミング、火加減の微調整など、ベテランガイドらしい的確な鍋奉行ぶり。

炊事から食事、ミーティングと使い勝手がいいキッチンテント。中央にテーブルができるよう雪面をドーナツ状に掘り進め、上から1本ポールのシェルターを張った。座面を一段掘り下げれば、余裕のヘッドクリアランスでさらに快適になる。

食後はコーヒー片手に、翌日の行程をミーティング。目的のピークまでは、ここから標高差にして982mの登り。メンバー3人には何ともないハイクだが、地形図を見たところ、尾根に取り付くまでの込み入った地形が気になるところだ。

どんよりした高曇りも、日没以降、雲が抜けて、次第に満月が顔を出し始めた。翌日から2日間はまずますの好天に恵まれ、3日後から崩れるという予報。低気圧が速度アップしないことを祈りつつ、シュラフのジッパーを首まで引き上げ眠りについた

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